世界的なIT企業、IBMがPC事業から撤退するようだ。
来年からの勤務先がIT業界ということもあり、業界のニュースサイトのチェックを日課にしていますが、正直このニュースはかなり衝撃的でした。
まず、いちコンシューマーとして。
実は僕もIBMユーザーです。使っているマシンはIBM Thinkpad T30。まだ約2年の付き合いですが、僕が参加したあらゆる活動・プロジェクトのタスクをこのマシンでこなしてきました。東京出張に持参するのは当然。海外にまで持って行きました。
確かに来年からはまさしくIBMのライバル企業に勤務するわけですが、できればこれからもずっとThinkpadを使い続けたいと思っています(勤務中は無理だけど)。確かに日本には他にも国産PCメーカーが数多くありますが、はっきり言って僕は嫌いです。無駄にアプリケーションが搭載されているし、最近のPCはTVの様態に無理に近づこうとして不細工です。PCなんてシンプルなのが一番いんです。
そのThinkpadが無くなる!?
PC事業の買収先は中国のPCメーカー、Lenovo(レノボ)という話がでていますが、いったいこの哲学的な思想を感じさせるほどBusiness Machineであることにこだわり、粋なほど真っ黒なPCはどうなるのでしょう・・・。例えばHPがCompaqを吸収合併した時のようにPCのブランドはそのまま残すのでしょうか。それとも、テクノロジーだけを移植して、まったく違ったプロダクトが世の中に出回るのでしょうか。
ほんと無くならないで、Thinkpad。好きなんだよね、その黒いマシンが。
つぎに、いち内定者として。
このニュースがリリースされた時、ちょうど「巨像は踊る」を読んでいました。この本は、まさしくIBMに関するもので、90年台初頭に大きく業績が傾き、あわや企業分割寸前のところを外部からCFOとして招聘されたルー・ガースナー氏が同社の事業、人事制度そして組織文化を変革し、大いなる復活へと導くまでのストーリーが本人によって描かれています。読むのは3回目なのですが、読むたびにビジネスにおけるヒントが得られるのでかなり気に入って読んでいます。ほんとオモシロイ。
この書物の中でも利益を計上していても戦略的に重要でない部門や不採算部門から撤退したり、事業を売却したりする経営判断について言及されていますが、やはりこのPC事業からの撤退もその一環なのでしょうか。ガースナーの後を継ぐサム・パルミサーノCEOも同様にハード事業からソフト・サービス事業への転換をますます進めているようです。
案外知られていないことかもしれませんが、実はPC事業はDELLのように非常に優れた直販システムを持っていないかぎり、大きな利益を出すのが難しいビジネスなのです。利ざやが薄いので、競争上の優位性を獲得するために継続して莫大な投資が必要とされるにもかかわらず、その費用対効果が比較的低いと言われています。なので、もちろんIBMもPC事業で利益を上げていますが、最近では後発のDELLはHPにシェアを奪われ、ますます事業の戦略的重要性は薄れていったのかも知れません。
だから、確かにPC事業からの撤退は合理的な経営上の意思決定とは思うけれど…。
でも、この黒いパソコンを使い続けたい…。
CNET:IBM、PC事業売却に向けて交渉を開始
New York Times:I.B.M. Said to Put Its PC Business on the Market
